白井さとう眼科

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緑内障

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緑内障MEDICAL

正常眼圧緑内障MEDICAL

病気の説明と症状

緑内障にもさまざまな種類がありますが、日本人で最も患者さんが多いのは正常眼圧緑内障です。400歳以上を対象とした調査では、検査を受けた人の3.6%、つまり約30人に1人が正常眼圧緑内障であったという報告もあります(報告、調査により多少異なります)。

眼圧とは、ボールに例えるなら、空気の入り具合のことです。パンパンの状態なら高い眼圧となります。かつて緑内障は眼圧の高い人に発生する病気と考えられていました。しかし、最近、特に日本人の緑内障では眼圧が正常範囲内にある場合がむしろ多いことがわかってきたのです。

正常眼圧緑内障の症状は視野欠損です。視野とは、目を動かさずに一度に見える範囲のことです。早期の正常眼圧緑内障では視野の中心部は異常ないものの、ゆっくりと中心付近の視野が欠けてきます。自分が見ようとしているものは見えますが、その周りにあるものが目に入らなくなってくるのです。進行すると、狭いのぞき穴から世の中を見ているような見え方になります。最終的にはそののぞき穴が徐々に狭くなり、最後には何も見えなくなる、というように病気が進行していきます。

ただし、両眼で見ているときは、一方の眼の視野が欠けていても自分では気付きにくいため、気付いたときには両眼の視野を大きく失っていたということもあります。進行した緑内障では、「本を読んでいるときにどこを読んでいるかわからなくなる」「外を歩いていると、急に現れた(ように見える)人や自転車にぶつかる」などという症状が出てきます。車の運転に支障をきたす方もいらっしゃいます。

一度欠けてしまった視野は二度と回復しないうえ、最後の最後には失明してしまうため、早期発見・治療がとても重要です。もしも、明らかに視野が欠けている自覚症状のある場合、進行した緑内障かもしれませんので、早めの眼科受診が必要です。

起きやすい人、起きやすい時期

気づかないまま進行してしまった場合の怖さと、(40代以上の)日本人の3−4%という確率を考えると、眼科医としては、全ての人に注意してほしい病気です。そのうえで、近眼の人、および家族に緑内障の方がいる人は、他の人より緑内障になりやすいと言われています。また年齢的には、徐々に若い人でも緑内障が増えている印象があり、30代で病気が見つかることもそれほど珍しくなくなりました。

早期発見のために

元へ戻らない病気ですから、なるべく早く、病気の進行する前に見つけることが一番大事になります。人間ドックなどで眼底検査を行うと、緑内障になりかけた視神経が見つかることがあります。また他の病気で診察している最中に緑内障を疑うこともあります。
こうした方に精密検査として、機械を使った視野検査を行うと、自覚症状のでるもっと前の段階で緑内障を診断することができます。また最近はOCTという機械があり、直接、網膜にある視神経の厚さを測定することで、視野検査でも異常が見つからない、超早期の緑内障も診断できるようになってきました。

治療

緑内障という病気に共通する治療方法は眼圧を下げることです。眼圧に耐えられなくなった自分の眼の視神経が少しずつ失われていくのが緑内障という病気だからです。例えば、眼圧が異常に高くなる種類の緑内障では、眼の中は圧力鍋の中のようになっており、病気は急速に進行します。このような場合、早いうちに眼圧を正常範囲まで下げれば病気を抑えることができます。

正常眼圧緑内障でも唯一確実な治療は眼圧を下げることです。しかし、元々が「正常眼圧」ですから、どの程度、どこまで眼圧を下げれば良いのかということは、患者さんそれぞれで違います。そもそも「正常眼圧」というのは、「他人と同じ」という意味であって、「自分の眼に適している」という意味ではないのです。眼圧を下げる治療にはデメリットや副作用もあり、無条件にいくらでも下がるわけでもありません。病気が見つかった時の状態に応じて、さまざまな検査をしながら、丁度良いと思われる眼圧の目標値を決める必要があります。

実際に眼圧を下げる方法としては、まず点眼薬を使うことになります。緑内障用の点眼薬は点したその日しか効かないので、長期にわたって毎日の点眼を忘れずに続けていく必要があります。その代わり、治療が順調なら10年以上ほとんど進行しないような方もいらっしゃいます。こういう方にとっては、緑内障は怖い病気というより、めんどくさい病気という方が近いかもしれません。

現在は緑内障の点眼薬もたくさん種類があり、複数を重ねて使うこともよくありますが、点眼薬ではどうしても病気を抑えきれない場合には、レーザーの処置や緑内障の手術を行うこともあります。レーザーは効果のある方が限られ、また効果が出ても長期間では消えてしまうこともあります。手術に関しても、眼圧を下げる程度が変動したり、効果が消えてしまったりする場合があります。また手術自体に伴う危険性もあるため、基本的には手術は目薬ではどうしようもない場合の最後の手段です。
これは白内障の治療とは大きく違うところです。緑内障手術に関しては、必要に応じて手術を行っている病院へ当院から紹介をいたします。

閉塞隅角緑内障MEDICAL

病気の説明と症状

気づかないうちに進行してしまう正常眼圧緑内障等と違って、突然、発作を起こすタイプの緑内障です。発作が起きるまでは全く異常を感じませんが、いざ発作が起きると、急激な眼痛、頭痛、吐き気、視力低下、充血が起こります。この時、発作を起こした眼の眼圧は正常の2倍以上に跳ね上がっています。
激しい症状の為に、救急車を呼ぶ方も珍しくありませんが、特に夜間であれば救急車を呼ぶのが正解です。一度、発作が起こると治療しても完全な元通りになることはなく、大なり小なり、後遺症が残ってしまうことが多いです。

眼の中は房水という水のようなものが常に循環しており、この房水が眼の外へ出ていく出口の部分を「隅角」と言います。元々の眼の形、構造上、隅角の狭い人と広い人がいますが、高齢者では眼の構造が弱ってくるため、結果として隅角が徐々に狭くなっていく場合があります。ギリギリまで隅角が狭くなっている状態で、何かのきっかけがあると、発作になってしまいます。

起きやすい人、起きやすい時期

遠視の方は隅角が狭い可能性が高く、また高齢になるほど発作の可能性が高くなります。発作自体は暗い場所で起きやすいため、夜間・明け方などに起こる方が多くなります。

治療

もっとも重要なのは、発作を未然に防ぐことです。発作が起きやすい方には、2通りの予防法があります。1つはレーザーで予め隅角の近くにバイパスを作っておくことで、100%ではありませんが、かなり発作の確率を下げることができます。
もう1つは、白内障手術を行うことです。白内障手術では水晶体を摘出して人工レンズに置き換えますが、人工レンズの方が厚さが薄いため、結果的に隅角が大きく広がり、発作は起きなくなります。昔のブラウン管テレビを液晶に変えたら、部屋が広くなるようなもの、です。

発作が起きてからの治療は、まず点滴や目薬・飲み薬で可能な限り眼圧を下げ、そのまま上記のレーザーや手術を行うことですが、発作中の眼はレーザーも手術も、普通の方よりかなり難しいものになります。「隅角が狭い」と言われた方は、なるべく発作予防の処置を受けておく方が良いでしょう。また予防処置を受けるまでは、隅角を狭くしてしまう一部のお薬は使用を避けた方が安全です。心配な方は薬局で相談すれば、該当する薬を教えてくれます。