白井さとう眼科

MENU

糖尿病網膜症

  • 〒270-1431 千葉県白井市根1970-1

糖尿病網膜症MEDICAL

糖尿病網膜症は名前の通り、糖尿病の人に起きてくる目の病気で、現在は日本の失明原因の第2位を占めています。治療が遅れると失明したり、低下した視力が回復できなくなったりする深刻な病気です。それにもかかわらず、非常に悪い状態でも自覚症状のないことがあり、普段から定期的な眼科での検査が必要です。眼科で詳しい検査を受けるまでは、糖尿病網膜症の有無や状態を正確に知ることはできません。眼科を受診する必要があるのは「糖尿病網膜症のある人」ではなくて、全ての「糖尿病がある人」なのです。

実際に眼科へ受診した場合、瞳孔を開く目薬(散瞳薬と言います)を使用して、眼の奥の網膜の診察を受けていただきます(この場合、帰りは車の運転ができなくなります)。まだ網膜症の始まっていない方だけでなく、初期から中期の網膜症の方は敢えて治療の必要がないこともよくあります。しかし、もし視力が低下する「糖尿病黄斑浮腫」や失明に直結する「網膜新生血管、虹彩新生血管」があれば、迅速に、積極的な治療が必要になります。この治療に踏み切るタイミングが手遅れにならないように、定期検査が必要になると考えてください。

治療でもっとも大切なのは失明を防ぐことです。網膜症が悪化し、失明の可能性が生じた場合は一転して徹底的なレーザー治療が必要になります。治療によって病気の進行が止まれば失明は回避できますが、病気そのものに加えてレーザーのダメージも加わった網膜は働きが悪くなり、「暗い」「狭い」「ぼやける」などの後遺障害を残す可能性が高くなります。治療を始めるのが遅ければ遅いほど、大きな障害が残る可能性があります。タイミングを逃さずに治療に踏み切ることが大切です。

治療ができずに病気が進行した場合、眼内への大量の出血や急性の緑内障などで急激に視力が低下していきます。入院して行う高度な手術や、一生続く緑内障の点眼治療など、ここからの治療は困難が伴いますし、完全に元の見え方を取り戻せることは稀です。

糖尿病網膜症では「黄斑浮腫」という状態もしばしば起こります。黄斑浮腫は徐々に視力低下していき、完全な失明には至りませんが、回復させる治療はなかなか難しく、長引くと正面のものが見えなくなる「中心視野の消失」につながる状態です。自分の見ようとしているものが消えてしまい、見えなくなるので、極度に視力は下がってしまいます。幸いここ数年は、抗VEGF薬という特殊な薬剤を用いた治療で一定の効果が見込めるようになってきましたが、これも発見が遅れると治療の効果がなくなってしまうので、やはり早期発見が欠かせません。